死の赤リング


 マイクロソフトが2005年に発売した家庭用ゲーム機「Xbox 360」は発売当初からプレイ中の異常停止が指摘され、一部ユーザーからの集団訴訟に発展した。Xbox 360が「一般的ハード障害」の状態になると赤ランプ3個の「死の赤リング」が本体前面に点灯する。何人のユーザがこれを経験したかは現時点では不明である。

 一般的に家電製品の故障率は5%程度が販売できる限界だと言われるが、当初からこの水準を上回るという報道がなされてきた。Wired紙によればXbox 360の製造に関係する内部関係者の話として、故障しやすい原因は設計上の欠陥と発売前テストの不適切さにあるとされた。

 発売開始から数ヵ月間、マイクロソフトはXbox 360の故障率が消費家電製品の平均である3〜5%程度でごく僅かであるとしていた。マイクロソフトは公式に故障率に関する統計を発表したことはない。同社の方針は、そうしたデータを公表するのではなく、発生している技術的問題を迅速に解決するという方向性である。しかしながら、家電製品としての平均をはるかに上回る故障率33%という噂は根強く存在してきた。

 結局、ハードウェア設計とその他の諸問題は解決されず、北米で2006年12月に保証期間を90日から1年に延長。2007年4〜6月期に全世界における修理交換のために10億5000万〜11億5000万ドルを計上した。7月5日にはMicrosoft's Interactive Entertainment Businessの副社長ピーター・ムーアが、Xbox 360に問題が発生していることを公開書簡の形で認め、ランプ3個が赤く点灯する場合(RRoD=Red Ring of Death、「死の赤いリング」)に限り3年へと保証期間を延長した。赤ランプ1個のみの場合はこの保証の対象外である。保証期間切れのために有償修理したユーザーには修理代返金を実施。なお、1台あたりの修理費用は330〜660ドルと推計されている。

 故障の原因は、熱による基板の変形など諸説が存在し、熱対策の甘さも指摘されている。Xbox 360は、不十分な冷却を原因として、使用中に非常な高温となる。この高熱によって、CPU・GPUとマザーボードを接合するボール・グリッド・アレー式ハンダ接合部が弛緩・融解するために故障すると言われている。環境問題への配慮から近年使われるようになった無鉛ハンダが使用されている場合、その種類によっては鉛入りハンダより剛性が劣ることがあり、問題の悪化を招く。また、Xbox 360のヒートシンク・排気口・ファンでは、使用中に常に作り出される熱を排出しきれないため、クラッシュ・フリーズ・故障の原因になるとされている。

 その後CPU周辺の見直しがなされ、2007年11月頃から、初期型より発熱量や消費電力の少ない65nm CPUを搭載した「Falcon」と呼ばれているモデルが市場投入された。日本でも11月から投入されたバリューパックはFalcon搭載型とされる。2008年後半には、65nm GPUも搭載した新型マザーボード、通称「Jasper」と呼ばれるモデルが投入された。

 「死の赤リング」についてはユーザの間で誤解もある。「一般的ハード障害」の場合、赤ランプは3個点灯するが、AVケーブルが適切に接続されていない場合は赤ランプが4個点灯するためである。


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