人柱

 人柱(ひとばしら)とは、堤や橋、城といった大規模な建築物が水害や敵襲によって破壊されないことを神に祈願する目的で、生きながらにして建築物やその近傍に埋められた人身御供のことである。

 史実はともかくとして日本各地に伝説が残っている。現在では工事の際に人柱を立てることは行われなくなっている。不幸にも工事中労働者が事故死した場合に慰霊と鎮魂の思いを込めて人柱と呼ぶ場合もある。

 この場合の「柱」とは、建築物の構造のそれではなく、神道(多神教)において神を数える際に「柱」(はしら)と呼ぶものの延長的なもので、死者の霊魂を「人でありながら神に近しい存在」と考える、すなわち対象に宿るアニミズム的な魂など霊的な装置に見立ててのことである。こういった魂の入れられた建造物は、そうでない建造物に比べより強固に、例えるなら自然の地形のように長くその機能を果たすはずであると考えられていた。この神との同一視のため、古い人柱の伝説が残る地域には慰霊碑ないし社(やしろ)が設置され、何らかの形で祀る様式が一般的である。

 上記の例とはややニュアンスが異なる人柱も存在する。例を挙げれば、城の秘密通路を作成した作業員が秘密隠蔽の為に全員殺され、その死体を人柱に見立てるケースである。

 人柱伝説の残る建築物の例として、常紋トンネル(じょうもんトンネル)がある。常紋トンネルはJR北海道石北本線にある、トンネルの一つである。常呂郡と紋別郡を結ぶ常紋峠下を通る。

 1914年開通。人家の全くないこの区間は同線の難所の一つであり、標高約300m、全長507mのトンネルを掘るのに3年を要した。このトンネルは凄惨過酷なタコ部屋労働(労働者をかなりの期間身体的に拘束して行われた非人間的環境下における過酷な肉体労働)で建設されたことでも有名である。1968年の十勝沖地震で壁面が損傷し、その改修工事(1970年)の際、壁から立ったままの人骨が発見された。また入口付近でも大量の人骨が発見された。人骨の一部には外力による損傷が見られたという。これにより「常紋トンネルには人柱が埋まっており、彼等の亡霊がトンネルや信号場に出る」という鉄道員間の噂の一部、「常紋トンネルには人柱が埋まっている」が事実であることが確認された。施工当時、重労働と栄養不足による脚気から労働者は次々と倒れ、倒れた労働者は治療されることもなく現場近くに生き埋めにされたという。

 1980年、当時の留辺蘂町によって金華駅西方の高台(金華小学校跡地)に「常紋トンネル工事殉難者追悼碑」が建てられた。


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