死刑執行人


 死刑執行人(しけいしっこうにん)は、裁判によって死刑が確定した犯罪者に対して死刑を執行する者のこと。通称「処刑人」とも呼ばれている。また、封建的な意味として犯罪者を処刑する高位の裁判官の名称として用いられる場合や、殺し屋を示す比喩として用いられる場合もある。

 死刑執行人は裁判所の死刑判決などを受けて死刑執行を行う者(通常は公務員の一種)である。執行する刑罰は死刑だけでなく鞭打ち刑などの身体刑が行われている国では身体刑の執行も行う。

 死刑執行は毎日あるわけではなく近代になるほど件数は減少し、1年以上も全く死刑執行の仕事が無いことも珍しくない。そのため、ヨーロッパの死刑執行人は普段は副業を行っており、アメリカなどは死刑執行人が副業、あるいは付随業務の一つであることが多い。

 ヨーロッパにおける死刑執行人は世襲制によって受け継がれてきた。ヨーロッパの大半の国で国家の設立から近年の死刑制度の廃止まで政治体制に関係なく世襲が続いていることがほとんどである。これはヨーロッパにおける死刑執行人が一種の被差別民として扱われ、就業や婚姻において強い差別を受け、特定の一族以外が死刑執行人に就くのを妨げていたことによる。ドイツやフランスのように政治体制が何度も激変している国ですら、世襲制で特定の一族が数百年に亘って継承している。

 ヨーロッパの死刑執行人は死刑を宣告した立場の人間を後に死刑執行する事例が歴史上相次いでおり、ロベスピエールからナチス戦犯まで歴史上何度も繰り返されてきた。死刑執行人が政治的な闘争で死刑になった事例は皆無であり、政治闘争に負けた人間を処刑する立場でありながら、政治においては不可侵民的な立場にいて、「死刑を宣告する為政者は変われど執行する処刑人は変わらず」という状態が続いていた。

 アメリカなどの新興国では世襲すべき一族がいないため、世襲は行われず保安官助手などの一部が兼任で死刑執行人に任命される。このため、アメリカの歴代の死刑執行人は全員が全くの他人である。

 日本も江戸の山田浅右衛門一族の世襲が明治まで続いていたが、斬首刑の廃止に伴い山田浅右衛門は失職、以後は刑務官が公務の一部として行い、特定の死刑執行人を任命しない制度が現在まで続いている。

 ヨーロッパでは日本の7大拘置所(東京・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・福岡)に各々1人、7人の死刑執行人が居るという誤解が広まっている(実際には、ダミーを含む複数のボタンが用意されており、ボタンを押した刑務官にすら誰が死刑を執行したのかわからないようになっている。ただし、この方法について「ダミーを押した者を含む複数の刑務官全員に精神的負担を強いるものだ」という批判がある)。

 日本の死刑が極度の秘密主義で、死刑の執行に関する情報が公開されないこともあり、フランスやドイツに代表されるヨーロッパ諸国の死刑制度と同様に、日本に死刑制度があるなら死刑執行人が居るはずだという誤解から来ていると思われる。フランスの大衆紙で日本の死刑執行人に関する記事が掲載されたことがあったが、内容は完全な憶測によるものだった。


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