死体洗いのアルバイト

 死体洗いのアルバイトとは、病院にまつわる都市伝説の1つ。

 医学部・歯学部では、その養成カリキュラムの中に遺体解剖実習が必ず組み込まれている。この都市伝説は、その解剖実習等に際し、献体を解剖前に洗浄・保存する作業が必要となるため、病院は高額な時給でアルバイトを雇いこの作業を行わせているという話。話には幾つか種類が存在し、洗浄前の献体がホルマリン漬けのプールに沈められていたり、洗浄する対象が献体ではなくベトナム戦争や朝鮮戦争で戦死した米兵であったりする。

 「大学の医学部や歯学部では解剖実習用の遺体をホルマリンのプールにつけている、その遺体を洗ったり、浮いてくると棒で突いて沈めるというようなアルバイトがある」などという噂がある。しかしそのような事実はない。そもそもホルマリンは揮発性でしかも有毒のためプールのように浸すということはできない。いわゆる都市伝説の1つである。

 実際には、「死体解剖保存法」や「医学及び歯学の教育のための献体に関する法律」などにより、解剖用遺体の取り扱いには厳しい制限が設けられている。また、遺体解剖実習に関して厳密に言うならば、医学部生や歯学部生でも死体解剖資格者である解剖学の教授などの教員の監督管理無しに解剖することは違法であり、監督管理の下でのみ許されるのである。また、解剖する場所に関しても、特に設けた解剖室においてしなければならないと定められている。

 つまり、単なるアルバイトが遺体を解剖するのは違法であり、施設を含めて厳重に処罰されるので現実にはありえないのである。ただし、死体解剖保存法では、解剖者の資格は規定しているが、その遺体の保管に関する資格に関しては言及していない。よって、一概に解剖資格の無いものが死体を扱うことそのものが違法ではない。

 なお、遺体の保存については、専門の知識を有する者が大腿動脈等から保存液を注入し、一体一体別々に保存庫で保管する。また、ホルマリンに関してはホルマリン中毒の観点から使用量は厳しく制限されており(ホルマリンは揮発性が極めて高く、大量に吸い込むと死に至る)、ホルマリンプールなどはありえない。そのため解剖実習中においては、ホルマリンではなくフェノールなどを振り掛けるのが一般的である。

 多くの医科大学や大学病院には、現在でもこのアルバイトに関する問い合わせが年に数件来るという。ジョーク的なものとして、電話を取った職員が問い合わせに対し「そんなに給料が良ければ俺がしたいよ!」などと怒鳴った、という話もある。

 なお、解剖用ではない遺体を洗うアルバイトは実在する(日給1万円〜2万円程度)。葬式などで行われる湯灌(ゆかん)である。この作業には特に上記のような厳しい制限は行われておらず、実際にアルバイトの者が遺体に触れている。

 ただし、湯灌に関しても業者や地域による差はあり「厳粛な行為なのでアルバイトに遺体を触らせるようなことはしない(させない)」という業者や地域も当然存在する。また、湯灌に先立って死亡直後の清拭や死に化粧は看護師が行うが、これに対する手当ては全く出ない。この事を鑑みても、「遺体を扱う忌み事だから高給」と言う一般認識は誤りである。

 遺体に触れるのは穢れを伴うという考え方から、湯灌、死に化粧は女性のみが行なう仕事とし、納棺その他を男性が担うという形態もある。


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