NOVEL
いつかはこうなる…
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放課後…


学校で1人生徒会の仕事をしていると廊下が騒がしい…。

「なんだ!?」
ガラっと扉を開くと男女複数名が騒いでいた。

「「かっ、会長!!」」
ぎょっとした顔でこちらを振り向いた為私もつられて少々驚いた。

「そんな血相変えてどうしたんだ?」


「あ、あの…聞きたいことがっ」
1人の男が神妙な顔で口を開いた。

「は?なんだ?」
検討がつかない…。


一拍の沈黙の後、彼はごくりと生唾を飲み込んで、一気にその疑問を私にぶつけてきた。

「…会長が碓氷さんと付き合ってるってホントですか!?」


「…っ!?」




********

付き合い始めても勉強や生徒会活動、加えてバイトのため忙しい私は碓氷と会う時間がどうしても少ない。


それでヤツから提案されたのは学校での逢い引き…。

当初はバレる確率が高く反対だったが、結局押しきられてしまった。




場所は空き教室やめったに使われない教材室を転々とし、少しでもリスクを下げるために時刻も遅くした。


昨日も同条件のもと、碓氷と使われない空き教室で会ったのだ。


この時ばかりはどうしたって碓氷には敵わない…。
私自身、そうであることを望んでいるのかもしれない。

「う、うす…ぃ」

「ん?」

「それ、以上は…」
彼の手が足の内側にいつの間にか侵入して、ゆっくりと撫であげていた。
彼に触られる感覚は嫌いでも不快でもない。
…むしろ心地良いのだが、場所が場所だけに理性が咎める。

「あぁ…、そうだね」

その手はそこからするりと離れてゆく。
それがどこか残念で、どこか安心する。

「俺も止まんなくなっちゃうから…」

苦笑しながら、私の腰に手をかける。

「次の非番っていつ?」

「知ってるくせに…」
もはや臨時バイトとは名ばかり…。
付き合い始めてからというもの非番を除けば毎回厨房で顔を合わせている。


「バイトだけじゃなくて、本当になんにもない日だよ」
つまりは彼の部屋への誘い…。

「あ、明後日…」
頭で考えるよりも早く口が動いていて些か戸惑いを覚えた…。

くすっとわずかに彼が笑ったのはきっと戸惑いが伝わってしまったから…。


「…わかった、じゃあそれまでおあずけね?」


そう言ってぎゅっと抱きしめてくれる彼の背に無意識に手を回して抱きしめ返していた…。
ふと力が抜かれて髪を撫でられる…、この後にあるものはいつも同じ。

少し意地悪く笑った彼の唇がそっと重なる。

「んっ、んぅ…。ふ、むぅ」
触れるだけのものから徐々に激しく絡まり息をつく暇すらなくなってゆく。

余裕のなくなった私に手加減してその絡まりはほどかれる。


「今度はもっといい声聞かせてね」
耳元でいつもより低く囁く彼に反応して心臓が暴れ出す…。

「…知るか」
彼の言葉に応じまいと細やかな抵抗をする。
今受け入れたら私の理性は完全に消し飛ぶ…。


「まぁいいよ、明後日は来てくれるんでしょ?」
いつもこうだ…。私から言葉を引き出そうとする。

「気が向いたら…」
だが、負けた気がするので答えてやらない。

「ぷっ…素直じゃない」

ふいっと顔を背けた途端に学校の帰宅時間を告げる放送が鳴り響いた。

「…もう時間」

「じゃあ、あと少しだけ…」
再び彼が腕の中へ私を閉じ込める…。

「…ん」
せめて、これくらいのわがままは聞いてやろう。




そう思ったのが間違いだった。
その瞬間を彼らに見られてしまったのだから…。
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