SECRET
酔った時はいけません!!
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とある朝の碓氷家のお話。
2人の姿はリビングにあるもののその様子はいつもとは違うようです…。





「美咲ちゃん」
拓海が幾度となく妻の名を呼ぶが、美咲はソファーに座り完全に彼を無視して沈黙し本を手にしたまま。
しかし、彼女からは明らかに怒りが読み取れる。

「…」

「…ごめんなさい」


珍しく本当に申し訳なさそうに謝罪をする拓海は彼女の側のカーペットの上にちょこんと正座をしていた。


すでにそれなりの時間が経つが状況は膠着状態。
美咲は一言も口に出さず、ただ静かに静かにソファーに身を任せていた。



なぜここまで美咲が怒り、碓氷が申し訳なさそうにしているかと言うと真相は彼女の首元や今は隠れている服の下の数々の跡のせいである。


**********
昨日の夜

拓海が仕事の関係で帰りが遅いと事前に連絡こともあり、美咲は久しぶりに仕事のあとでさくらやしず子と会っていた。
話しも盛り上がり、あまり強くないお酒も少々飲んだ。
ほろ酔いになった彼女はそこそこの時間で切り上げ、家に無事着いて玄関の扉を開いた。


「ただいま〜」

まだ部屋には拓海の姿もなく、家は薄暗い。

「まだ拓海は帰ってないのか…」

玄関の鍵を閉めて、靴を脱ぎリビングへと足を進める。
パチンと部屋の電気をつけた美咲は残る酔いを覚ますために、お茶を淹れることにした。
キッチンでお湯を沸かしている間に寝室に行き、クローゼットから部屋着を取り出し着替える。

「拓海は帰ってくるの遅いって言ってたな…。じゃあお茶飲んだらお風呂入るか」



そしてお茶である程度の酔いを覚まし、お風呂に入った。
疲れていたのと残る酒のため眠気を覚えつつも辛うじて濡れた髪を乾かし、ベッドに倒れ込むようにして美咲は眠り始めた。



********
夜も更け、それなりに酔った拓海が帰ってきた。

「ただいま〜」

「美咲ちゃん?帰ってる?」

眠たげな彼は半ば本能的に美咲の姿を探し、寝室に足を進めた。

「あ…いた」

ベッドにころんと横になった彼女はすーすーと小さく寝息を立てて眠っている。
しかし、掛け布団は掛けずにいたことで一瞬ふるりと身を震わせた。

「こら…美咲ちゃん、風邪ひいちゃうでしょ?」

「ぅ、んー」

声を小さく上げた彼女は起きたわけではなく、寝返りを打っただけだった。
だが、その寝返りがよくなかった。
掛け布団を掛けようと近寄り、手をついた拓海に運悪く美咲の胸が乗っかったのだった。

「…!」

ぴくっと反応した手をすぐさま引っ込めたが、美咲の柔らかな胸の感触が劣情を煽りたて、酔った頭に違うものが押し寄せてくるのを拓海は感じた。

「んっ?」

拓海の手が抜けたことで違和感を覚えたのか再び寝返りをうった美咲。
仰向けになった彼女の首筋には寝汗がうっすらと浮かび、パジャマのボタンが外れていたことから鎖骨の辺りまでが夜目にも分かるほどはっきり白く浮かび上がっていた。

「うわ…」


酒に酔っているといつも抑えている分だけ美咲が欲しくなる。
これはいつものことでもある。
しかし、拓海の欲を今まで以上に駆り立てるほどに美咲が成長してもいた。

もともとで綺麗な彼女だが無防備加減は変わらないくせに、その姿は年々色を帯びてきて無自覚でやってのけるから拓海は時々堪えきれなくなりそうなこともあるほどだ。


いい加減年を重ねて大人と言われる年齢になったのだから落ち着こうとも思う彼だが、美咲がそれを許してはくれない…。

「ずるい…」


しかし、妻とは言え眠っている女性を襲うようなまねはしたくない…。


「生殺しってこの事だね、きっと」

はぁーと深いため息をつき、そっぽを向いて気をまぎらわす。
なけなしの理性をかき集めて必死に冷静さを保とうとする拓海。
しかし、さらに追い討ちをかけるように美咲が寝言で彼の名前を呼ぶ…。

「ん…拓海ぃー」


まぎらわすどころか不意をつかれて名前を呼ばれ、一瞬びくんと身体が跳ねる。

「本当に家の奥さんはとんでもないね…」

我慢すればするほどに追い込まれてく…。
いつの間にこんな攻め上手になったのだろうか?

「無意識だからタチ悪いよ」

つんっと美咲の額を突つき、額と首筋にキスを落とした。

「ん…ぁっ」

その甘い声が更に拓海のなかの欲を駆り立てる。

「悪いこ」

―これが最後…。
そう自分に暗示をかけて拓海は美咲の唇にくちづけた。

―せめて、これだけは許して…。

襲うまいと思うが、どうしても止まらない。
だからキスだけは許してと心の中で願いながらほんの少し長く、口づけを美咲の唇に落とした。


すると覆い被さるようにしていた拓海の首に美咲の両腕が絡みついた。

「…!?」

過去に何度か眠る彼女に堪えきれずキスしてしまったことがあるが、初めての行動だった。

重なった彼女の唇が拓海を欲するように動き、腕を引き寄せて重ねる力を強めた。


拓海は驚き、目を見張った。そして次の瞬間にはその頬は朱に染まっていた。

美咲が目を覚ましたのかとも思ったがどうやら違うようだ…。


じわりじわりと理性が焼かれていくのを拓海は感じ、遂にそれがふつりと焼け切れる音が体の中に響くのを耳にした。

拓海は少しの間目を閉じ、次いで唇を離して美咲の耳元に小さく囁いた。

「ごめんね。ホントは寝込み襲うようなことしたくなかったけど…もう我慢出来ない」

絡みつく彼女の腕の中に再び顔を埋めて、つっとほんの少し肌けた胸元に舌を這わせた。


「なんで同じもの使ってるのにこんなにいい匂いに感じるのかな…?」

お風呂に入った彼女の肌からはボディーソープの香りがほのかに香る。

ぷちんぷちんとその香りに誘われるようにパジャマのボタンを外していく。

後ろめたさを感じつつも欲は止まらず、その肌をそっと撫で上げて衣服をずらしていく。
それに連れて露になる美咲の白い肌とキャミソール…。
出来るだけ肌を冷やさないように加減して、肩ほどまでに留めておく。

その時拓海は自分が未だにスーツを着たままだったことに気付き上着を脱ぎ、ベッドの横に放り投げ、ネクタイを少しだけ緩めた。

上から見下ろした美咲はまだすーすーと眠ったまま。ふとその胸元に目をやると彼女の双丘の飾りがキャミソールに浮き出ていた。

「…せめて二重の下着してよね、美咲」

―こっちの気もしらないで…。

そう呟きながら拓海は下着の上からその2つの膨らみをそっと両手で揉み始めた。

「っん…あ…」

小さく啼く美咲をよそに拓海は更に同じく服の上から飾りを口に含む。

「…っん!?…ってたく、み…?」

「ただいま。美咲ちゃん」

「あっ…ああ。おかえり…」

寝起きで頭が働いていない美咲は状況に追い付けず、拓海に濡らされた下着から自分の胸の飾りが透けて見えることに気付き、ようやく事態を把握した。


「お、お前何してんだよ!?」

「だって…美咲のせいだよ」

「は…?」

「とりあえずもう止まんない。話す余裕なんかもうないから…させて…」

「おい…!!っや、あ…」

ぐいっとキャミソールをずり下げて、貪るように美咲の体を撫で回し始めた拓海。
その様子には余裕は一切感じられず、ただがむしゃらに美咲を求めているのが見て取れた。

先ほどの続きと言わんばかりに美咲の胸の飾りを吸い、舌でなぶるようにいじめる。

「あ…、そこ…ばっかやっ…!!」

喘ぐ美咲を遮り、言葉を奪ってさっきとは違う深い口づけをし始めた。

「む…ふぅ…」

拓海が細い美咲の体を抱き起こすように腕の中に包んでいると力が徐々に抜けて抵抗がなくなっていくのを感じた。
しかし、飾りをいじられた美咲の中心はすでに飢えを覚え始め、無意識に足を擦り合わせていた。

それに気づいた拓海は彼女を包む手を片方だけ体をなぞるようにしながら中心へと滑らした。

ぐいっと美咲の表面の衣服を脱がし、下着の中へと手を進めた。


びくっと体を揺らした美咲が唇を離し、声を押し殺すように口をぎゅっと閉じた。

「…いつも言ってるよね?美咲…声抑えちゃダメ」

だが、ぶんぶんと首を振って必死に声を抑える美咲。
仕方ないと拓海は入り口を弄っていた指をぐっと奥の方へ押し込んだ。



すると美咲は固く引き結んでいた唇をようやく開く…。
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