SECRET
私の色とあなたの色
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世間では、男の人に抱かれることを犯されたとか穢されたとか悪いことのようにいうけれど、あなたと一緒になることが悪いことだと私には思えない。




いつもと違うあなたが私に触れてくれるだけで異常なまでに感じてしまう。
恥ずかしいから懸命に声を殺して必死に飲み込んでいるのに、あなたはそれを許してくれない…。


私の、私でないような声をあなたは聞きたがる。
あなたによって作り出される声だから。

女の私にとって“啼く”ことは好きなあなたにも、あまり聞いて欲しくないものなのに…。

恥ずかしいし可笑しいから、と言うとあなたは笑って否定する。

そして返ってくる、私にもっとも似合わない“可愛い”という言葉。

どこが可愛いのか私にはさっぱりわからない。

でもそんなことを考えている時間も余裕もないほど、あなたは私を貪るように触れてくる。



…気持ちいい、と思ってしまう私はいけない女だろうか?




言葉では真逆のことを言ってしまうが、きっとあなたも気づいているのだろう。


私があなただけを求める“女”に変わっていることを。


結局溶かされて、啼かされてしまう私をあなたは嬉しそうに見てくる。


その笑顔がさらに私のなかを溶かす。


あなたが私の鍵穴に触れるたびにまた啼いてしまう。
理性は音をたてて崩れ、完全に女となった私はあなたを奥に求めて喘ぐ。


でもあなたは私の望むものを焦らしてすぐにはくれない、私が如何に欲しているかを言葉で表さないといけない。


いつまで経ってもその行為は恥ずかしくて、はぐらかそうとすると今後はイジメられる。


あてがうだけで中にはくれない…もどかしさだけを私に味わわせる。
だから私は言うしかないのだ、羞恥に耐えて…。


私が口にしたその一言であなたはやっと中に望みのものをくれる。

圧迫されるような感覚に襲われるのに、快感で、気づくと奥へ奥へと引き込んでいる。

あなたが動く度に体が自然と揺れ、しがみついて手も足も絡みつけて肌を擦りつけてしまう。

お互いの熱いほど温かくなった体、そこにうっすら浮かぶ汗が心地良くまとわりつく。

私はあなたの胸に抱かれて全てを染められてゆく。


それが幸せだと伝えたくて、浅く速い息の中でかなうかぎり深く呼吸し、あなたの唇に口づける。

きっとそれだけで伝わるから…。


その行動に一瞬驚きを見せながら、あなたは柔らかい笑みを浮かべて今度は私の髪を撫でて額にくちづけてくれる。


前に私の色は“白”だと言ってくれたあなたに、今私は染まっている。
私の色が本当に白いのならば、きっと全てをあなたの色に染めてもらえるのだろう。




…私が大きな快楽を感じたと同時にあなたがまた奥から私を一段と色濃く染めた。



今夜もあなたのやさしい腕に抱かれて私は甘い夢の中に意識を手放す。


次に目を開けたときに広がるのはあなたの笑顔。

少し恥ずかしいけれど、染まるごとにどんどん愛しくなるこの時間。



お願いです。
もう誰も色づけられなくなるほど、あなたの色で私を染めてください。

これが犯されるとか穢されることと…、悪いことだと周りが言ったとしても私は喜んで受け入れます。

だからもっと私を穢してください。私の知っているこの時のあなたはやさしくてとても綺麗な男の人です。

それに私が欲しい色はあなたの色だけだから…。







…愛しています。

END
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