1/2ページ目 横には夫の拓海が未だにすやすや眠っている。 「…だるい」 携帯のアラームを切りながら、開口一番出た言葉がそれだ。 珍しく体が重くてだるい…。 「拓海ぃ、朝だぞ…。起きろ〜」 ぽんぽんと何度か彼の胸を叩くと、やっと目を開けた。 相変わらずの低血圧でかなりぼんやりしている…。 「美咲ちゃん、おはよ〜」 「あぁ…、おはよ」 「どうかしたの?」 すぐに私の体調がよくないことに気づいたらしい。 「なんか…体がだるくて…」 「…今日は休みなよ、顔色もあんまりよくないよ?」 「…風邪ひいたのかな?でも咳出ないし…」 「熱は?」 コツンと額と額をくっつける。 「ん…?」 いつものことだし、気にしないでおく…。 「無さそうだね…、待っててお粥作ってくるから」 「いや、悪いがあんまり食欲ないんだ…」 「そっか…、俺も今日休もうかな?」 おいおい…。 「ダメだ、拓海はちゃんと仕事行けよ?私はちゃんと寝てるから…後で病院にも行くし、な?」 だるいながらも、必死で説得する…。 前に珍しく風邪をひいた時も付きっきりだったし、さすがに悪い…。 「…わかった、その代わり無理しないでね?今日は早く帰ってくるから」 「あぁ、わかった。ごめんな?」 「何言ってるの、ゆっくり休んでね」 彼を見送ってから、またうつらうつらし始めて、結局数時間ほど眠っていた。 「…まだ、だるい。仕方ない、病院行ってくるか」 支度をし、病院に行って診察を受けた…。 が、まさかの事態だ…。 「碓氷さん、おめでたですよ」 女医さんがにっこりと微笑んで私を見ている。 「は?」 おめでた、ってことは… 「妊娠していますね、もう11週目に入っていますよ」 「…風邪、じゃ?」 「あぁ、妊婦さんの体調が優れないで気づくのはよくあることなんですよ」 「…そう、なんですか?」 「ええ、おめでとうございます」 「あ、ありがとうございます…」 とりあえずお礼を言っておこう。 頭がついていかない…。 そういえば生理が遅れているとは思っていたが、まさか赤ちゃんがいたなんて…。 拓海はどう思うだろうか…? 私は拓海との子供が出来たのだから、嬉しい。 …でも、拓海は? 喜んで、くれるだろうか? 子供は嫌いではないだろうか…? …生んでもいいと言ってくれるだろうか…? <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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