「ふぅ…、疲れた…」 「部屋で休んだ方が疲れは取れると思いますが…」 そう言いながらも自分の部屋へ戻ろうとしないのは陛下自身だ。 「いちいち部屋へ行くのも更に疲れるだろう?」 「はぁ…」 先程からそこらをうろうろしているような元気があるなら部屋に戻るぐらい大丈夫だと思うが、陛下は部屋へは行く気はないようだ。 しかし疲れているならここで歩きまわっているより部屋へ行くべきだ。 ここで問答していても埒が明かないので彼を部屋へ連れて行こうと立ち上がりかけたのだが、何故か立ち上がりかけた私を陛下は押しとどめた。 肩に陛下の手がかかる。 「お前は鈍いな…」 「何がですか?」 陛下はいつもおかしな言動ばかり言う。 今回言っていることも意味が分かりかねる。 何故ここで私が鈍いなどと、そういう話になるのだろうか…。 陛下はそれには答えず、私を抱き締めてきた。 「陛下…?」 「このままでいれば疲れは取れる…」 私が離れようとすると、ぎゅうっと抱く腕の力が強まる。 私の力では、おそらく抜け出せない程に強く…。 「こんなことでですか?」 「ああ、これでいい…」 「…ふぅ」 やれやれといった感じに、私は肩の力を抜く。 でも…こんなことでも、あなたの安らぎになるのならば…。 ぽんぽんと陛下の背中を軽く叩く。 まったく、子供のようなところがある人だ。 「…分かりましたよ、でも後できちんと寝所にも行ってもらいますよ」 我らが眞王陛下…、そして、私のたった一人のあなたに安らぎを…。 ***************** 以前の絵のリニュ版。 大切な弟には何だかんだいってかなり甘えてもいたのではないかという予想w かっこもつけてもいたでしょうがw しかし言い方が「眞王」と「大賢者」なので、彼らがどんな名前なのかが気になります…。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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