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【☆コンジュリ(匂い)】
☆コンジュリ(匂い)

「あら?何かあなたから甘い香りがする?」
彼女は興味深そうに俺に視線を向けると、すんと鼻を鳴らす。

「ああ…」
彼女の視線の意味に納得する。
「それは、多分さっき菓子を食べたからじゃないか?」
先程ジュリアと会う前…珍しい他国の菓子だと、幼馴染が手に入れたものをお前も食ってみろと渡されたのだ。
その菓子は香辛料のせいだろうか、他の菓子にはないような独特な感じの甘い香りがした。
今もその香りが残っているのだろうか。

俺は自らの手の匂いを嗅いでみるが、自分ではよく分からなかった。

「ふふっ」
そんな俺を見て彼女は笑うと、ぐっと体を乗り出し近づいてきた。
「ジュリア?」
ちょっと近すぎやしないか?と思ったら、それよりももっと近づかれてしまう。
この…距離は…。

何と彼女は、俺の唇近くまで顔を近づけてきたのだった…。
少し位置は逸れてはいるが、しかし…。

「…っ」
すぐ近くにある彼女の顔。
ふわりと香る、彼女の匂い…。

「甘い…」
「ジュリ…ア…」
声は少し掠れてしまっていた。
かあっと頬が熱くなる。
まるで俺のものじゃないみたいに動悸が激しくなる。

女に、これ程の距離に近付かれた事がないという訳ではない。
しかし彼女が近付いた…それだけで、俺は今まで他の者相手では感じた事のないような自分の感情を感じてしまったんだ…。

他の女相手にはこうなるか?いいやならない。
決してこんな風にはなったりしない。
自分では押さえられない、煩いぐらいの心臓の高鳴り。
緊張して、顔に熱が集中してしまってるのがよく分かる。
分かっているのに、それを自分で制御出来ない。

まるで、思春期の少年のように感情を持て余してしまう…。

君だから…?
君だから、俺はこんなにも心を掻き乱されるのか……。

******************
前の絵のリニュ版。
女に例えびくとも心を動かされなかったとしても、それが女ではなくて『本気で好きな女』なら話は別だと思いますw
コンラッドは本命には本命じゃない場合とまったく違うような奴だと思います><


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