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【●来栖(文は紫苑来栖。正月)】
●来栖(文は紫苑来栖。正月)

「ざ、ざむい…っっ」
肩ががたがたと震えてしまっている。
寒いだろう…。
クリスは今、上の服を脱ぎ肩出しのハイネック1枚だけになってしまっているのだから…。
いくら下半身が炬燵の中に入っているとはいえ、それだけでは寒すぎる。

「クリス…」
俺が声をかけると、クリスはじろりと俺の方を睨んでくる。

「…んだよ?」
「…」
そんなクリスに、意地もここまで来ると凄いなと溜め息を吐く。

「寒いですから、早く上着を着てください」
「やっぱシオンはオレのが寒さに弱いひ弱ーとか言うのかよ…」
「クリス…」
先程…羽村達がこの寒い中道着姿で毎日剣道の訓練をしているという話になった。
そしてそんな事は、この寒い中クリスでは難しいだろう的な事が口に出てしまった…。

いつも日課のように練習をして寒空の中元気に走り回っているらしい羽村達…。
そして王としての室内の仕事が多いクリス。
もう羽村達のが体力や耐久力はクリスより上だろう。
体力面ではもう抜かされてしまっているだろう…。

俺は、最近運動不足でもあるし、羽村達と同じように寒空の中駆けまわるのは風邪をひきかねないと、薄着で外に出ようとするクリスを止めようと思って言っただけなのだが…。

クリスはあろうことか上着を脱ぎ、その見るからに寒そうな姿のままで上着を着ようとしなくなってしまった。
さすがに炬燵には入ってしまったが…。

そんな事してどうなるのだと。
そんな事まで口にしてしまったらクリスの拗ねが悪化するのが目に見えているので、俺はこうする事にした。

クリスの隣に腰を下ろし耳元で囁く…。
「このままでいるのは俺が堪えられない…」
「…っ」
びくりとクリスの体が反応する。

「そんなに肌を曝して…俺に襲って欲しいのかクリスは…?」
クリスの体を心配しての割合が多くてわざと言った言葉だったが、効果は覿面だった。

「…っっ!!?」
途端ばっと俺から離れるクリス。
その顔には朱が走っている。

「…なっ、いきなり何だよそれ…!」
思わず脱いだ上着を手繰り寄せてしまうクリス。
「いきなり発情してんじゃねーよおっさん!これから新年のあいさつとかあるんだろ!?」
そして急ぎ上着を着こんでいる。

クリスに上着を着せる事に安堵する俺。
そして、こんな反応もとても愛らしくて愛おしくて…。
俺は思わず笑みを漏らしてしまうのだった……。

******************
お正月品…のつもりです…^^;
寒いと一旦炬燵に入ると出るのって難しくなりますよねー;
翔達とで年上の意地としてちょっとむっとしてしまう来栖。
そこにおっさんが…というシチュwラブラブですw


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