1/6ページ目 初めて会ったのはずっと昔。 俺はまだ十を幾つか過ぎた子どもで、彼もまた、物心ついたばかりの子どもだった。 ♦ 忍として認められ、すぐに仕事が手に入った。歳は若いが務まるだろうと笑う長に、どこか違和感を感じた。初めての仕事は何をするのだろう。殺しか、偵察か。どんな仕事でも全うしてやる。 そう意気込んだ。 「お前の持ち場は今日からここだ」 実際に与えられた初めての仕事は、期待を裏切り、武家の次男坊の護衛だった。 正直、若い俺は腹を立てていた。戦うために学んだ術は、か弱い子どもを護るためのものではない。子守りなど、乳母がやればいいじゃないか。 じろり、睨むように長を見れば、素知らぬ顔をされ恨めしいほどだ。 「べんのしのびか」 「えぇ、そのようで…」 初めて交わした会話は、なんとも舌足らずなものだった。仕方なしに、その子どもへと膝をついて頭を下げれば、こちらの気持ちなど露知らずと、ただただ無邪気に笑うだけだった。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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